投稿日: 2025-06-15
ちょっとマネジメントを学んでみようと思ったので、数年積んでいた本を読んだ感想を書いてみる。
「エンジニアのためのマネジメント入門(技術評論社)」という書籍を数年前になんとなく購入していましたが、ごく最近まで読まずじまいでした。 うっすらと「自分はマネジメントをちゃんと考えてみるべき類の人なんだろうなぁ」と漠然と考えてはいたものの、モチベーションがまったくついてこなくて読めずにいました1。
ただ、最近は Claude Code によってまた一段とコードを読み書きする仕事の価値が揺がされてるなぁと感じています。 一方で、Claude Code や Devin やらの自律型のエージェントを複数動かすことで、それらのアウトプットを調整しなきゃいけない難しさがある、みたいな話も聞きます。 そんな話を聞くと、 プロジェクトマネジメント的なスキルが優位性を持ちはじめるのではないか と感じはじめました。
そんなわけで、積んでいたこの本を目にしてなんとなく読みはじめました。 物理本は A5 サイズで 200 ページぐらいなので大変読みやすいです。 実際は、求めていたプロジェクトマネジメント的な話はあまりなく、どちらかというとピープルマネジメント的な話の分量が多かったように感じます。 ただ、久しぶりにこういった本を読んで思ったこともあったので、読んだあとの自分の意識や行動の変容具合についてつらつらと書いてみようと思います。
ノンバーバルコミュニケーション(非言語情報)の威力
「コミュニケーションを支える技術」という節にて、 「非言語情報は、言語情報と同じかそれ以上に重要」 とありました。 例えば「感謝を伝えながら怒った顔をするなど、言語情報と矛盾する非言語情報を発信した場合は、非言語情報が優先される」とのこと。 日常的な業務風景でいうと、内容を承諾できなくて不機嫌な人が言葉では「分かりました」とぶっきらぼうに言う、みたいなイメージでしょうか。 うーん、たしかに印象は悪い。
私は今、会社ではリモートワークが主体でミーティングなどは大部分が web meeting になっています。 前職と違い、カメラのオンオフは個人に委ねられていますが、そうなるとやっぱりみんなカメラはオフにしてしまいます。 私としては、絶対にカメラはオンにしないとまともなコミュニケーションは出来ないと思っていますが、どうも世間的な風潮ではあまり馴染まない考え方のようです。 昨今のリモートワーク廃止も、このような web meeting でのコミュニケーション不全が一因となっているような気がします。
私としては、ライフプラン的にリモートワークが今後なくなっては困る、と強く思っているので、このあたりをなんとかできないかと考えました。 本書のこの節を読むに、やっぱカメラはオンにしてもらったほうが良いんじゃないかなぁと思うに至りました。 「まずはうちのチームの少人数の打ち合わせだけでも」みたいな感じで、上長に相談してみようかなと思いました。
フォロワーシップ
リーダーシップを発揮する人に対して、後に続き主体性を持って行動する人をフォロワーと呼ぶ。 優れたフォロワーはリーダーと共に考えて行動し、時にはリーダーに対してフィードバックをする。 このようなスキルをフォロワーシップと呼ぶ。
以前に「「出世」を目指そう、もとい「マネジングアップ」しよう」というスライドを読みましたが、これと似た話なのかなと思いました。 ただ、フォロワーシップは「管理される側、部下、現場の人」に求められるスキルだと思っていましたが、マネージャにとっても重要である、というのはあまり意識がありませんでした。
マネジメントの素質が自分にあるか怪しいと普段から思っていますが、フォロワーシップについては割と無意識的にできてるかも、と思わなくもないので、ひとつ自信にしてもいいのかなと思ったり思わなかったり…。
形式知と暗黙知、知識の創造
マニュアルや技術文書などの形式言語によって表すことのできる知識を「形式知」、個人的な体験や信念などの形式言語で言い表すことが難しい知識を「暗黙知」と呼ぶ。 形式知と暗黙知の知識変換が、双方向に行われることで、知識が創造される。
暗黙的な業務知識をドキュメントにおこすのって、引き継ぎとかを目的にしてるととても退屈なので、あまりモチベーションを持って出来ていませんでした。 ただ、ちゃんと言語化して組織内で共有されることで、新しい知識が生まれると考えるなら、一つのモチベーションと出来そうな気がしてきます。
目標は自己管理してこそ意味をなす
MBO は Management By Objective and Self-Control の略なので、「目標と 自己管理 によるマネジメント」が正しい。
目標管理といわず、自己管理の部分に焦点を当てなさい、ということでした。
「評価の時期になり、半年ぶりに目標をみた」という経験をしたことがあるでしょうか。 目標設定をしても、このような運用をしてしまうと、まったく意味がありません。
めちゃくちゃ耳が痛い…。 目標を自己管理できない状態をこのまま放置すると、ビジネスパーソンとしてかなりまずいことになりそうなので、ここは強く意識して行動から改めないと、と思います。 とりあえず、週明けは目標シートのタブを開いて固定して、週次で確認することからはじめてみます。
おわりに
こんなところでしょうか。 当初の目的としていた、プロジェクトマネジメント的なはなしにはあまり出会えなかったので、マネジメントの学習も継続したいなと思いました。
Footnotes
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このほか「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」や「エラスティックリーダーシップ」なんかも物理で積んでしまっている。 ↩