最近読んだ2冊の本

投稿日: 2025-07-21

会計とマインドフルネスの本を読んだので、それについて書く。

Claude Code やら Gemini CLI やら Kiro やら、AI エージェントがすごすぎて、「もう私が開発しなくて良くない?」的な気持ちになってくる。 それで、最近はむしろソフトウェアに関係のない学習が捗っている。

ということで、最近読んだソフトウェアとは関連しない本について、感想や思ったことなどをざっと書いてみる。

会計について学ぶ

読んだ本はこれ。

「お金の流れ」がたった1つの図法でぜんぶわかる 会計の地図 - ダイヤモンド社

タイトルからも察せられる通り、かなり初心者向けの本だと思う。 会計の勉強はこれまで別の機会でも何回かやっていたけど、理解が曖昧すぎるのが気掛かりだったので、この本で勉強しなおすことにしてみた。 やっぱり、理解が怪しいときは教材の難易度は引き下げたい。

この本は、最終的に「時価総額」や「のれん」といったものがどういう概念か、というのを説明できるように展開されていく。 また、ESG 投資といった概念を例に、「変化がますます激しくなるこれからの時代に、創造性を持って働くことがますます重要となる」ということを、会計を通じて読者に伝えることを目的としているように読めた。

個人的な会計を学ぶ目的は、主に2つあった。 1つ目は、単純に財務諸表をスムーズに読めるようにして、そこから企業の財務状況を自分で正しく判断できるようにしたかった、ということ。 今のところ個別株の投資をするつもりはないけど、もし再び転職活動するときになったときには、応募する企業についてちゃんと調べられるようになっておきたい。 そして2つ目は、今自分がしている仕事、ひいては自分に支払われる給与は、最終的に財務上どのような扱いになるのか、というのを理解しておきたかった、ということ。 ここらへんの感覚がしっかり根付いていないと、だらだらと働いてしまって生産的になれないと、なんとなく感じていた。

会計知識を身につけるコツ(個人的な備忘録)

会計を身近なものにするコツは、「これは費用になるのだろうか?それとも減価償却資産になるのだろうか?」とか「この費用は原価なのか?それとも販管費なのか?」といったことを常に考えてみることだと思う。 あるいは、自分の立場から離れた他業種に関しては、「どういった費用が存在するのか?」とか「どのようなものが資産にあたるのか?」というのを具体的に考えてみることも大事だと思う1

あとは、段階的に学習することも大事な気がする。 例えば、利益の分類を全部一気に覚えるんじゃなくて、「とりあえず粗利と営業利益だけピンとくるようにしておくと良さそう」みたいな感じで、覚える内容を圧縮してみたりした。 「営業外収益だとか特別損失だとかって、普段触れないから正直ピンと来ないじゃんね? → じゃあ覚える優先度下げればええか」みたいなカジュアルなノリ(法人税は重要だけど…)。

マインドフルネスについて学ぶ

読んだ本はこれ。

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 - 英治出版

そもそもの話、マインドフルネスって今はどれくらいの認知度なんだろう…? 自分の場合、加齢のせいもあってか、2022年ごろから精神衛生がかなり悪化したと感じていて、そのときに色々と調べていく中で出会った概念だったと思う。 Web で適当に調べただけでも、瞑想にはなんとなく効果があるような気がしていたので、思いきって有名なこの本を読んでみることにした。

この書籍では、マインドフルネスの定義は「特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと」とされている。 ちょっと修飾語が多いので、もうちょいシンプルにしてみると「今の瞬間に注意を払うこと」となる。 このための具体的な手法として「瞑想」があって、大胆に単純化するなら「呼吸だけに注意を払うこと」となる。 呼吸に注意を払うことで、今の瞬間に注意を払うことにつながり、今の瞬間に注意を払うことで過去の後悔や将来の不安から逃れて、目の前のことに集中できるようになる、という理屈らしい。

マインドフルネスは運動といっしょ

マインドフルネスで重要なのは、効果を信じて実践を繰り返すことだと思った。 グーグルのエンジニアらしく、書籍中では科学的根拠、エビデンスが豊富に挙げられているため、多くの人が納得して取り組めるような内容となっていたと思う。

また、「呼吸に注意するものの、注意がぶれてしまう瞬間があるが、そこで注意を元に戻そうとすることが、良い訓練になる」という旨が書かれている。 これなどは、まさしく運動、筋トレのようではないかと思う。 筆者は「運動することは良い習慣であるという考えが普及したのと同じように、マインドフルネスを浸透させたい」という思いを述べている。 フィジカルな運動が好きな人には、こちらの精神的・情動的な運動もやってみると良いのではないかと思う。

ところで、この本を最初に読むときは序盤の3章までで良いと思う。 最後の章とかも読むと、実践のモチベーションが湧いて良いのだけど、いきなり全部読み通すのは流石に大変だった。 まずは3章までで紹介される「マインドフル瞑想(呼吸)」が板についてから、興味があればそのあとに紹介される対人的なマインドフルネスに範囲を広げていけば良い。

最終的なゴールは「悟り(≒思いやり、優しさ)」

マインドフルネスを習慣化し、熟達したあかつきには、どんな他者に対しても思いやりを持つことができ、優しくなれるという。 そういうわけで、優れた管理職になるために、という内容も書籍で説明されている。 アンガーマネジメントとかは近年急に聞くようになったけど、マインドフルネスはそれらも包含した概念のように思えた。

あまり具体的には言わないけど、今回の参議院選挙の結果を見ても、より多くの人がマインドフルネスに触れられる世の中になるといいなと思った。 微力ながら、自分もその力添えが出来るようにしていきたい。


ところで、最近は本を読みながら疑問に感じた内容を、すぐ AI に聞けるのがとても楽しい。 本を読むときは、AI チャットを起動した PC の前で読みたい気持ちが強くなって、カフェとかで気軽に読める本が少なくなってきてしまった。 みなさまの現在の読書スタイルは、どんな感じでしょうか。


Footnotes

  1. 自分は普段 Web アプリの開発や運用をやっているわけだけど、他業種の人からするとこのあたりの費用・資産の分類の判断って難しくないのかな?とふと思った。